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| 記者: |
「まず最初に中村さんは、わた入を始めてどのくらいになられますか?」 |
| 中村さん: |
「えーと、昭和30年頃から始めたから、かれこれ50年程やっとります。」 |
| 記者: |
「 いまだに手作りにこだわっているのは、特別な思いがあるんですか?」 |
| 中村さん: |
「せやねぇ やっぱり機械でつくる布団というのは手作りのような心配りができまへんから。」 |
| 記者: |
「心配りとは?」 |
| 中村さん: |
「はい。例えば、敷布団でも人の手でつくる場合、かまぼこ状に積み上げて中高になるようにつくるんです。すると、使っているうちに体重の掛かる真中の部分が平らにならされて寝心地のいい布団になります。」
「でも、機械でつくる敷布団は四方べりが真中に比べてうんと高い。すると使い込んでいると、体重の真中の方が船底みたいにヘタってくる。これじゃぁ寝返りもしにくいし、寝心地がいいわけがない。私のつくる布団というのは、使う人の身になってこしらえてるつもりです。」 |
| 記者: |
「じゃあ、どんな方に自分のつくった布団を使って寝てもらいたいですか?」 |
| 中村さん: |
「昭和30年代以降に生まれた人というのは、本当の布団というものがどんなに寝心地がいいものか知らないで育った人が圧倒的に多い。布団ていうとこんなものかと。夜中に蒸れて、足で布団2、3べん上げ下げして、冷たいのん入れてまた寝るという。またそれでも時間がたってきたら、モヤモヤしてもそれが当たり前やと思ってる。そうやない。こういう人たちに、甘いか、辛いか、苦いか。私の手で作った本当の布団の寝心地の良さをいっぺん味おうて欲しい。」 |
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| わたに触れただけでその綿の良し悪しを見抜く職人の手。ゴツゴツしてます。 |
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| 記者: |
「だいたいうち直しは、どれくらいの年数で行ったらいいものなんでしょうか?」 |
| 中村さん: |
「掛布団で5年、敷布団で3年くらいで手入れして欲しいと思うけど、だいたい出てくるのは普通7年から10年くらいで打直しがでてきます。だいたい倍くらいやね。せやから悲しいかな、けっこう傷んで返ってくる。4年目くらいまでは日に干したら、カサはふくらむけど、5年目になると元に戻らんようになってきよります。人目に触れへん生活道具やけど、眠るっていうのは、毎日のもんやから、大切に使って欲しい。」 |
| 記者: |
「ありがとうございました。これからも手づくりの布団の素晴らしさを、たくさんの人にわかってもらえるように頑張ってください。」 |
| 中村さん: |
「こちらこそ、ありがとう。」 |